「SES やめとけ」で検索すると、怖い話が無限に出てきます。一方で「SESは最高の働き方」という記事もある。どっちを信じればいいのか分からなくなった人向けに、IT人材業界で働く現役の「中の人」が、営業側・紹介側から見た結論を書きます。
結論:「やめとけ」には60%同意します。100%ではない。でも0%でもない。なぜ半端な数字なのか。答えはシンプルで、SESが地獄になるかどうかは「あなたの状況」と「会社の構造」でほぼ決まるからです。そしてもう一つ。2026年現在、市場の風向きが変わりつつあるからです。順番に解体していきます。
まず構造。あなたの単価と給料の間には「会社」がいる
「やめとけ」論の根っこにあるのはお金の流れです。SESは、クライアントが払う「単価」から、所属会社の取り分(マージン)を引いた残りがあなたの給料の原資になります。重要なのはマージンの存在そのものではなく、間に何社挟まっているかと自分の単価を知らされているかです。
単価70万円で給料25万円なら搾取に見えます。でも間に2社挟まっていたら、あなたの会社が受け取っているのは70万ではなく50万かもしれない。逆に商流が浅くてこの給料なら、会社が取りすぎている。同じ給料25万でも意味が全く違うんです。自分の商流と単価を知ることが、SESを語るスタート地点です。
「やめとけ」が当てはまる会社の特徴(ここが60%の正体)
中の人として断言しますが、次の特徴が複数当てはまる会社は「やめとけ側の60%」です。
- 単価を絶対に教えない
- 「還元率○%」だけを大きく訴求する(分母に何が入っているか書いていないなら意味のない数字)
- 経歴書を「盛れ」と指示する
- 待機中の給与が満額出ない
- 案件を選べない(「案件選択制」を謳っていても実態は順番待ちの会社もある)
- 評価制度がなく、現場が変わらない限り給料も変わらない
こういう会社にいると何が起きるか。帰社日と副業禁止だけがしっかりしていて、3年経ってもスキルシートに書けることが増えない。これが「やめとけ」の正体です。
では残りの40%は何か。「やめなくていいSES」の条件
一方で、SESにははっきりしたメリットもあります。
- 未経験・経験浅めでもITの実務に入れる入口の広さ
- いろいろな現場・技術に触れられる
- 会社を辞めずに現場を変えられる
そして、次の条件が揃うなら「やめなくていい40%」に入ります。
- 単価を本人に開示している
- 待機中も給与が満額出る
- 現場の希望を営業がちゃんと拾う
- あなた自身に「この現場で○○を身につけて次に行く」という目的がある
SESは「一生いる場所」ではなく「通過点」と割り切れる人にとっては、悪くない選択肢です。
【ここが本題】2026年、フリーランスSESの風向きは確実に変わった
ここからは、まとめ記事には書いていない、中の人の生の見立てです。
ここ数年、「正社員SESを辞めてフリーランスになれば単価が上がる」という勝ちパターンが定番化していました。SNSには「独立して単価2倍」の成功談が溢れています。ただ、2026年現在、現場で起きているのはこういう変化です。
- 発注側が案件の絞り込みを強めている。「とりあえず頭数」の発注が減り、スキル要件が明確になった
- 影響を最初に受けるのは経験の浅いフリーランス。正社員より先に契約を切られやすい立場だから
- 一定のスキルを超えた層は今も強い。つまり二極化が進んでいる
「とりあえず独立すれば単価アップ」の時代は終わりつつある——これが現場の肌感覚です。だからこそ、「辞めるべきか」ではなく「次に何を身につけるか」から逆算することが、以前にも増して重要になっています。
判断チェックリスト(保存推奨)
自分の会社が60%側か40%側か、次の5問で確認してください。
- 自分の単価を知っているか
- 商流は何次請けか
- 待機中の給与は満額か
- 直近12ヶ月でスキルシートに追記できた行はあるか
- 次の現場・キャリアの希望を営業に伝えて動いてもらえたか
3つ以上「No」なら、動く準備を始めていいタイミングです。
まとめ。「やめとけ」ではなく「知ってから決めろ」
やめとけに60%同意、の内訳はこうです。
- 構造的にエンジニアを育てる気がない会社が確かに多い(だから60%)
- 構造を知って会社を選べば、SESはキャリアの入口として機能する(だから40%は残る)
このブログでは、求人票やエージェントの営業トークを中の人視点で「翻訳」する記事を書いていきます。次回は「還元率○%のカラクリ」を解体する予定です。

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